2005年10月

日曜日

2005年 10月31日(月)

一日の終わりにちょっと一杯。
カウンターに並ぶお客さんたちはそれぞれの日曜日を過ごし、それぞれの締めくくりにちょっと一杯。

「いやあーホントだったら取れてたんだよ今日の天皇賞。
ホントだったらね」

「今日さー、公園でちょっと側転してみようって話になってね、やってみたんだ。
できないもんだね、側転。
どう動いていいのか全然わかんなくてさ。」

「バスを待っててね、
何となく目をやったらそこにクローバーがあったの。
もしかしてって、ちょっとさがしてみたら
あったのよ、四つ葉のクローバー。
26年ぶりよ。ニ、ジュウ、ロク、年ぶり。
かなり動揺しちゃった。」

日曜日といってもいろいろある。
なんかしみじみそう思いました。


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けっして見てはいけません

2005年 10月27日(木)

お客さんで埋まる店内。
響き渡る笑い声、食器とスプーンのぶつかる音。
ご機嫌な音楽。
で、目の前にはおびただしい数の伝票。
うれしい限りの話なのだが、忙しいときは忙しい。
集中力が続くのも限界がある。

この間、やっぱり忙しい日。
オーダがとぎれたすきにちょっとトイレへ。
トイレの中は音がやけに響く。
BGMはお気に入りのジプシーバンド。
鏡に映る自分の顔を凝視しながら
踊ってみた。
軽い気持ちで。

これはたまらない。
扉の向こうにお客さんがいるのがまたたまらない。

人知れずリフレッシュした僕はカウンターの中へ。
もう一度フライパンを握る。

鍵のかけ忘れだけは絶対に避けたい。


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新しい仲間たち

2005年 10月24日(月)

そういえばうちの店にメダカがやってきた。
メダやんが帰ってきた訳ではない。
アムプリンのアムちゃんからのおすそ分け。
そうそう、うちのタニやんは本当のタニやんではないことが判明。
これもアムちゃんの指摘。
「スネール君」というやつらしい。
知らなかった。
そういうわけで正しいタニやん3匹と黒ずんでないメダカ3匹をアムちゃんがくれた。

メダカたちは下のほうで顔つきあわせて何やら相談中。
新しい環境で警戒している模様。
エサをあげてもけっしてしっぽをふったりしない。
それどころか姿も見せやしない。
実にかわいげがない。
それならこっちにもやりかたはあると
きびしく育てる決意の僕たち。
これがトネリコ流。

冷えきった関係のまま数週間。
ようやくメダカたちに変化の兆し。
とりあえず顔は出すようになった。

メダやんのことを忘れることはできないが
彼らを「メダやん」と呼ぶ日も近いかもしれない。


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北の国から

2005年 10月16日(日)

夕方、仕込みをしていると突然ハッピ姿のおじさんが入ってくる。
なんとなくいらっしゃいませとは言いづらい雰囲気。
「あのォー、ワダクシ青森からやってきたンダドモォー」
お客さんのいない店内で唐突に津軽弁。
「リンゴジュースいらねェがー。ウンメェぞー」
いや、でも使う予定ないしー、高いしー。
「おじさんこれ売れないと、青森さ帰られネンダー」

そんなこと言われて、どうすりゃいいんですか。
俺たちも東北人だし。

で、結局けっこうな値段のリンゴジュース1ケース。

そして数日後、夕方電話がなる。
「宮崎で柚子胡椒つくってるんですけど」
九州なまりのおばあさんの声。

やめてください、そういう営業。
田舎者をいじめないでください。


窓辺の君

2005年 10月13日(木)

彼女は周りの話し声を気にする様子も見せず
集中してページをめくる。
残りはわずか。
クライマックスにさしかかっているのか
読むスピードが上がっている気がする。
時々思い出したようにビールを飲む。

突然、彼女の瞳から一筋の涙。
堰を切ったように流れ落ちる涙を彼女は気にしない。

ゆっくりと本を閉じる。
彼女は深く息を吸い込む。
ハンカチで目元を拭う。
そしてビール。
また大きく深呼吸をして、腕をのばす。
彼女は目を閉じて本の上に手を置く。

読書は時に僕たちに肉体的な効用をもたらす。
一冊の本によって僕たちは全く新しい身体をまとう。

この店をそういう場に使ってもらえたとしたら
とてもうれしいことだ。
1人の本読みとして。

帰りがけ、何読んでたんですかって聞きたい衝動を抑えるのに苦労した。
何を読んでたかはこの際大きな問題ではない。
大事なことは読んでどうなったかということ。
たとえそれが「じゃりン子チエ」だったとしても。

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10月16日限りだよ

2005年 10月 9日(日)

近所のスーパーでちょっとした催し物があります。
お近くの方はぜひ遊びにいってみてください。

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非日常への誘い

2005年 10月 8日(土)

ドアを開けると何となくムアッとした空気。
店員の女性が席に案内してくれる。
電話で予約した特等席。
ガラス一枚隔てたむこうは異空間。
数十羽のフラミンゴ達が優雅なシエスタ。
時折長い首を折り曲げ水にくちばしをやる。
僕たちはメニューも開かずに
カニピラフ3つを注文。
僕は興奮を悟られないようにタバコに火をつける。
会話もなしにそれぞれ何となくガラスの向こうを眺める。
いったいここはなんなんだろう?
そういう根源的な疑問には
いっさい答えることはできない。
ようやくカニピラフがくる。
ほぼ一匹分のズワイガニが殻ごとドカッ。
僕たちは黙々と身をほじくる。
疲れたらフラミンゴ。
カニフラミンゴカニフラミンゴカニカニフラミンゴ。
フラミンゴの膝は人と反対に曲がることに気づいたりする。
二十分後ようやくピラフにありつく。
僕は更なる異空間へと飛んでいく。

この間、連休を取って、ちょっと勉強して参りました。
僕たちもこんなお店を作っていけたらと思っております。

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シーフードレストラン メヒコ


メダやん 続報

2005年 10月 2日(日)

メダやんがいなくなって5日が過ぎた。
残念ながら有力な情報はまだない。
何人かのお客さんが
「メダやんねぇー、どうしたのかなー」
と心配そうに声をかけてくれた。
半笑いで。

今日、メダやんがいた瓶の中をのぞいてみると
タニやん(タニシ)が気持ち良さそうに泳いでいる。
しかも2匹つながっていたりする。
なんだ、こんなの見たことないぞ。

うーん、なんだか怪しい。


あまーいあまーい

2005年 10月 1日(土)

例えばおじさん。
髪を短く刈り上げて
真っ黒に現場焼けした作業服のおじさん。
競馬新聞を真剣に読みながら、昼間からビール。
ラフテーかなんかの定食を一気に平らげる。
メニューをもう一度ひろげる。
「プリンちょうだい」
目の前にプリン。
飾りのミントを不思議そうによける。
生クリームをちょっと上にのっけて
プリンをスプーンに取る。
小さい口でパクリ。

なんだろう、甘いものを食べたときのあまーい顔って。
僕はこっそりうなずく。
僕の中に芽生える、あるはずもない母心。

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